PASONAZ160306150I9A1901_TP_V2

 言語聴覚士 ST(Speech-Language-Hearing-Therapist)は、きこえ、ことば、コミュニケーション、食べること(摂食えん下)のスペシャリストです。
 日本の国家資格のひとつで、この資格を持った人は現在、日本国内に2万5千人ほどいます。
なんらかの原因により、ことばが離せない、耳が聞こえない、声が出ない、発音がおかしい、やり取りが苦手であるといった症状・悩みをもつ方の相談に乗り、アプローチを行います。
 また、言語聴覚士は食べることや飲み込むことについても専門としています。食べ物が何であるかわからない、うまく口に取り込めない、咀嚼ができない、「ごくん」と飲み込み食道に送り込むことができないといった、摂食えん下に障害を持つ方に、リハビリテーションを行います。

対象領域はさまざま

 言語聴覚士の対象領域はおとなからこどもまで、さまざまです。脳卒中などにより後天的にことばや飲み込みに障害を持った人にセラピーを行います。また、自閉症スペクトラムや知的障害など、生まれもったことばの障害を持つ方を支援する場合があります。そのほかにも、話すときにどもってしまう吃音(きつおん)、さまざまな原因により耳が聞こえない聴覚障害、声が出ない・かすれてしまうといった音声障害も、言語聴覚士の専門です。

どこにいるの?

 多くの言語聴覚士は病院で働いています。診療科はリハビリテーション科であることが多いですが、そのほかには耳鼻咽喉科や小児科、歯科口腔外科などではたらいています。
 病院やクリニックといった医療分野の次に多いのは、介護保険領域ではたらく言語聴覚士です。老人健康保険施設(老健や老人ホームとよばれます)、デイケアやデイサービスなどの施設がそうです。比較的新しい業態である「訪問リハビリテーション」もそのひとつです。
 また、小児の領域では保健所や公立の発達相談をする施設、民間の児童デイサービスや療育施設ではたらく言語聴覚士がいます。近年、数が増えつつある「放課後デイサービス」もそのひとつです。まだ少数ですが、ことばの教室、特別支援学級や特別支援学校など、教育分野にかかわる言語聴覚士もいます。
 そのほか、資格を活かし、独立開業する言語聴覚士もいれば、フリーランスで仕事を請け負う、文筆業をしている言語聴覚士、民間企業で人工内耳の普及に携わる言語聴覚士や教具や検査の開発に携わる言語聴覚士、大学や教育機関で教育や研究を行っている言語聴覚士もいます。