言語聴覚士は、きこえ、ことば、飲み込みに障害を持つ人を支援する職業です。
英語ではSpeech-Language-Healing Therapist(発話・言語・聴覚・療法士)なので、あたまの文字を取ってSTと呼ばれます。
 理学療法士 PT Physical Therapist
 作業療法士 OT Occupational Therapist

と並び、リハビリテーション3士に数えられます。

専門領域は成人・嚥下・小児・聴覚・音声の5分野


 言語聴覚士の仕事は、成人嚥下 小児聴覚音声の5領域にわかれます。
成人(大人の方)が対象の場合には、後天的な脳の障害や進行性の脳の病気、そのほか後天的な病気や怪我によりことばやコミュニケーションに障害を持つ人の支援をします。
ことばがうまく出てこない・言おうとしたことばと違うことばが出てくる…失語症
くちびるや舌、声帯の運動麻痺、運動のコントロールが思うようにいかず、発音が不明瞭になる…構音障害
不注意である、新しいことを覚えられない、物事をうまくすすめられないなど…高次脳機能障害、認知症
などがあります。

嚥下(えんげ)障害
は、食べ物がうまく呑み込めない、むせてしまう、誤嚥(食べ物や飲み物が食道ではなく気管に流れ込むこと)により、肺炎を起こしてしまうといった症状のことをいいます。原因は先天的・後天的な脳の障害や身体の障害です。成人の場合も小児の場合もあります。

小児
(子ども)が対象の場合には、主に知的障害や発達障害によることばの遅れを持つ人の支援をします。ダウン症脳性まひのように生まれてすぐに発見される病気もあれば、 発達障害 のように一見してわからない障害もあります。発達障害には、自閉症スペクトラムAD/HD(注意欠陥多動障害)読み書き障害などの幅広い症状が含まれます。
 また、発音の練習が必要な機能性構音障害も、言語聴覚士の専門です。

聴覚障害の人には、生まれつき、きこえが悪い…先天性難聴
なんらかの病気や怪我などで聴力が低下する・失う…中途難聴があります。
手話を用いてコミュニケーションをする人、補聴器を使って聴力を補う人、人工内耳という聴力を回復する手術を行う人などがおり、それぞれに合った支援を行います。
聴覚障害の人は聞く練習をするのかなと想像する人は多いと思いますが、他には発音の練習をする場合、ことばを学んだり文をつくったりする練習を行う場合もあります。

音声障害
は、声がかすれる、うまく出ないなどの症状です。がんや腫瘍などで声帯の摘出手術を行い、声を失った人も音声障害に含まれます。最近では、芸能人のつんく♂さんが声帯を摘出されたことが話題になりましたね。
 また、吃音という障害があります。これは、話すときにどもる、声を出したいのに詰まる、声を引き延ばす、などの症状があらわれます。幼い頃に発症することが多く、なかには大人になってもその状態が続く場合もあります。吃音を支援する言語聴覚士もいます。

  これら5つが、言語聴覚士が専門とする領域になります。実際には施設の特性やそれぞれの専門分野によって、このなかから複数を掛け持ちすることになります。