現在、日本には言語聴覚士の資格を持っている人が2万5千人程度います。
 お医者さんが31万1千人、看護師さんが108万6千人、同じリハビリテーション職である理学療法士が12万9千人、作業療法士が7万人であることをふまえると、これはかなり少ない数であることがいえそうです。このように数の少ない言語聴覚士ですから、いったいどこで出会えるの?と思う方もいるでしょう。
 今回は、言語聴覚士に相談したいことがある場合にどんな問い合わせの窓口があるかを考えてみましょう。

方法その1. 病院にいる言語聴覚士に相談する 

 まず思いつくのが、病院かもしれません。病院で言語聴覚士に会う方法を考えてみましょう。

言語聴覚士はどんな病院に居るの?


 言語外来や発達外来、補聴器外来のような特殊な診療科を掲げている施設をのぞき、地域の診療所には言語聴覚士はいません。
 診療所よりも複雑な検査ができたり入院ができる市民病院や総合病院はどうでしょう。答えは、居ることもあれば居ないこともあります。言語聴覚士は脳の病気のリハビリテーションにかかわることが多いので、その病院に神経内科や脳外科、リハビリテーション科があれば居る可能性が高いです。ただし、リハビリ科を標榜していても言語聴覚士は居ません、ということもあります。また、言語聴覚士は耳の聴こえにたずさわる職種ではあるものの、耳鼻咽喉科で聴力検査を取っている人たちがみな言語聴覚士かといえば、そうではありません。むしろ言語聴覚士が聴力検査を取っている施設は稀で、多くは臨床検査技師さんや耳鼻咽喉科の看護師さんが実施しています。

病院にいる言語聴覚士さんに会うには?


 それでは、病院に居る言語聴覚士さんに相談したり、訓練を受けたりすることはできるのでしょうか。病院で言語聴覚士にかかるためには、医師の指示書(処方箋)が必要です。まずお医者さんが診察をして、言語聴覚療法が必要であると判断する理由があれば、言語聴覚士に取り次いでもらえるのです。言語聴覚士にかかりたい場合には、まずお医者さんの診察の際にその旨を伝えてみるとよいでしょう。
 または、総合病院には地域医療福祉連携室や医療相談室という窓口があり、そこではメディカルソーシャルワーカーさんが相談に乗ってくれます。その地域のことに詳しかったり、その方の生活背景に合わせた提案をしてくれるので、利用してみてはいかがでしょうか。
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病院にいる言語聴覚士に相談できることは?


 
病院にいる言語聴覚士がかかわるのは、大きくわけて入院患者さんと外来患者さんです。病院の特色によりますが、入院している患者さん(ICUと呼ばれる集中治療室、一般病棟、療養病棟、リハビリテーションを受ける為の病棟である回復期病床などがあります)に対する業務を中心に行っている言語聴覚士さんが多い傾向にあります。もし、失語症などの脳の病気が原因のコミュニケーション障害があれば、外来でかかった場合にも言語聴覚士さんに相談できることがあります。お子さんの発音の問題などの相談を一部受け付けている病院もあります。

方法その2.行政の窓口に問い合わせる

 地域の保健所や市役所の相談窓口に問い合わせると、地域で言語聴覚療法を受けられる場所を紹介してくれることがあります。施設の形態はさまざまですので、どういったことで困っているか、整理して伝えるとよいでしょう。
 また、高齢の方や介護認定を受けている方、療育手帳を申請している方ですと、地域包括支援センターの窓口に相談できます。こちらは各自治体が設置しているもので、生活や身体のさまざまな悩みに沿って方法を提示してくれます。言語聴覚士の居るデイケアやデイサービス、訪問リハビリの事業所が近くにあれば、紹介してくれます。

方法その3.言語聴覚士協会に問い合わせる

 言語聴覚士は職能団体として、日本言語聴覚士協会を組織しています。また、各都道府県にも言語聴覚士協会が存在します。たいていウェブサイトを開設していますので、そこで「言語聴覚士が在籍している施設」というページを参照してみるとよいでしょう。

参考:施設検索|日本言語聴覚士協会

 また、メールや電話の窓口を開設していれば、直接問い合わせてみるのも手です。
 ウェブサイトの情報からは、言語聴覚士が在籍していることがわかっても専門領域まではわかりません。特に、現在受入れ窓口が少ないとされる「吃音」や「発達障害」については直接問い合わせるのがはやいでしょう。
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おわりに

 いかがでしたでしょうか?
まだまだ数が少ない言語聴覚士。必要な方すべてに支援の手が回らっていないのも実情です。
 言語聴覚士の支援が必要な方に、この記事が少しでも助けとなれば幸いです。