言語聴覚士国家試験に不合格したら!?

 言語聴覚士の国家試験の合格率は、毎年60〜70%前後で推移しています。
 他の国家資格の合格率を参照するに、やや難易度は高めの試験といえるでしょう。
 例年言語聴覚士の養成大学や専門学校の養成課程を卒業したものの国家試験に落ちてしまった、という学生は一定の数存在します。もし、国家試験に落ちてしまったらどうすればよいのでしょうか。また、来年度の試験に再チャレンジするならば、どうすればよいのでしょうか。

国家試験は何度でも受験できる

  基本的な事項ではありますが、いまいちど確認です。言語聴覚士の国家試験は、受験資格を得てさえいれば何度でもチャレンジが可能です。受験資格とは、「必要な単位を取得し、養成校を修了していること」です。つまり、言語聴覚士の養成課程の大学や専門学校を卒業した人であれば何度でも受けることができます。

現役と浪人では現役の合格率が圧倒的に良い

  次に、データが示す事実です。言語聴覚士の国家試験合格率は70%程度ですが、現役(養成課程の卒業年度に受験をする人)の合格率は90%、浪人をして受ける人の合格率はぐっと下がって 3割程度となります。もちろん、1年間しっかり勉強や準備をして再受験をし、合格して現在は言語聴覚士として活躍している人はたくさんいます。しかしながら、再受験を決意する場合は、厳しい道のりになることもふまえて覚悟が必要でしょう。現役であれば仲間でともに励まし合えた仲間もおらず、発破をかけてくれる先生も傍にはおらず、孤独な戦いをやり抜く決意が必要です。

再受験はしないと決めた場合

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  ご自身のキャリアやライフプランによっては、言語聴覚士の道以外を選択することもあるでしょう。特に社会人経験者の方で前職の仕事に戻る道がある場合や主婦の方、家庭の事情がある方などで、いったん資格取得を断念される方も多いです。資格自体を断念するにしても、国家試験を受験するまでの道のりはけして楽ではなかったでしょうし、ここまで辿り着いたことは立派です。ぜひ、学んだことが今後の生活のなにかに活きることがあればと思います。
  言語聴覚士として働く働かないは別にして、せっかく学校に行って勉強したのだし、知識が新しいうちに国家試験だけは取得しておこうというのもひとつです。筆者の知人では、国家資格を取得後、10年間別の私企業で働いたのち、縁が戻り臨床をはじめたという方がいます。なにが起こるかわかりませんから、よくよくご検討ください。

再受験をすると決めたら

 再受験をしよう、と少しでも考えている人は、つぎのことに要注意です。

内定先の方針を確認する

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 国家試験の合否がわかる前に既に就職活動により内定を得ている場合もあるでしょう。「内定」は雇い主と働く側の合意であるため、正式な入職の前であれば国家資格不合格を理由に内定を取り消すという方針を採択している場合もあります。施設によっては、昨今の人材確保の難しさから、1年間は非常勤やアルバイトの「リハビリ助手」のような立場で働ける制度を設けているところもあります。まずはできるだけ早い段階で、自身の内定が国家試験に落ちた場合にどういった扱いになるのか、内定先に確認をしてみましょう。

国試浪人中に志望している業界で働くメリットは?

  浪人中に無資格の状態でも志望する業界で働くメリットとしては、身近に臨床現場を知ることができ仕事のイメージがつきやすくモチベーションを高めやすい、起床や就寝など不規則になりがちな生活を予防してくれる、勉強方法など周囲に相談相手がいる、収入があるなどがあります。デメリットとしては、同じ時期に内定したスタッフとは違う形で働くことになる、勉強時間が削られる、浪人後に国家試験に合格して別の就職先に興味を持った場合にお世話になってきたので内定を辞退しにくい、などが考えられます。くらべてみると、どちらかといえばデメリットよりもメリットのほうが多いでしょう。
 よくあるのが、同期入職者同士、入職説明会の際に仲良くなったのに、自分だけ国家試験に落ちてしまったという状況です。自分だけが1年後輩になってしまい、嫌だ、気まずいなどとネガティブに考えてしまいがちですが、こう考えてみるのはどうでしょう。1年後、晴れて国家試験に合格すれば、職場で”同期”と呼べる同僚が2年分いることになります。それはとても心強いのではないでしょうか。

卒業した養成校の繋がりや利用できる制度を活用する

 養成校によっては、国家試験不合格で次年度再受験をする人、いわゆる国試浪人生向けに補修を行っていたり、なんらかの条件を満たせば在籍する学生向けの国家試験対策授業を受けることができる制度を設けています。まずは自分の卒業した養成校がどのような国家試験受験バックアップをしているのかを確認しましょう。また、授業に限らず、卒業生であれば調べものや自習に学校設備である図書館、自習室が使用できるといった施設利用のサービスを開放している場合があります。

母校の繋がりは大切にする

 また、学校の先生や同窓生の繋がりも心強いものです。同じ学年・クラスで家族よりも長い時間を一緒に過ごしたといっても言い過ぎでないほどの友人ですが、国試に合格し仕事が始まると意外と忙しく会う時間は次第に限られていきます。国家試験の直後、はやめに勉強のコツや暗記に役立ったプリントやテキストなどを教わっておくとよいでしょう。また、仕事の様子などを定期的に聞いてモチベーションを分けてもらいましょう。

 健闘を祈ります。