PAK85_yoteihyouwotukerubiz_TP_V

2017年現在、日本全国には2万5千人ほどの言語聴覚士がいます。
 言語聴覚士になるには、厚生労働省が毎年実施する言語聴覚士国家試験に合格する必要があります。
 前年度の国家試験の合格率は75.9%で、新たに2,571名の言語聴覚士が誕生しました。参考:第19回言語聴覚士国家試験の合格発表について 厚生労働省

 言語聴覚士になると、就職はどうなのでしょうか。

言語聴覚士の求人は多い?

 
 言語聴覚士の国家資格を持った人の数は増えてきているものの、支援や治療を必要とする人の数はとても多く、言語聴覚士はまだまだ不足しているのが現状です。例年、養成校を卒業した言語聴覚士の人数に対して、何倍もの求人件数があります。
 社会の高齢化に伴って、国は医療から介護への移行をすすめており、介護領域では生活に根差したリハビリテーションを提供できる体制を整えていくことが求められています。高齢人口の増加により言語聴覚士の需要は今後ますます増えていくでしょう。老化により起こる高齢性難聴、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳血管疾患、誤嚥性肺炎を引き起こす要因である接食・嚥下障害、認知症によるコミュニケーション障害などを持つ人々の数は増えています。言語聴覚士がはたらくフィールドはますます拡大しつつあり、必要な言語聴覚士の養成は急務といえます。

言語聴覚士はなぜ足りない? 要因1 国家資格化が遅れた

 言語聴覚士と並んでリハビリテーション3士とよばれる理学療法士(PT)、作業療法士(OT)にくらべ、国家資格化が遅れた点が挙げられます。前者2つの職種にくらべ、知名度が低いのもそのためでしょう。国内外の言語療法自体の歴史は古いですが、国家資格としては19年目の、まだ若い資格といえます。

言語聴覚士はなぜ足りない? 要因2 女性が多い

日本言語聴覚士協会によると、言語聴覚士の8割が女性です。出産や育児、家庭の事情などで仕事を一時的にお休みすることがあり、そのため1年目~4年目にくらべると5年目以降の人数が減ってしまいます。ただし、結婚や出産、育児などでキャリアが中断したとしても、子育てがひと段落して仕事に復帰したり、子育てと仕事を両立できる環境の職場を探すことが可能です。復職については、一般的な仕事に比べるとかなり有利であることがいえます。職場である医療・福祉の施設では、出産育児介護休暇などの取得がしやすかったり、時短勤務に応じてくれたり、なかには託児所や保育施設を併設しているところもあります。そうした点では女性にとって働きやすい職種であるといえるでしょう。

言語聴覚士はなぜ足りない? 要因3 知名度が圧倒的に低い

 言語聴覚士になるには、高校を卒業して専門学校または専攻科のある大学にはいるか、大学を卒業後に専門学校または大学院に入るという進路があります。ですが言語聴覚士は医療職のなかでもとくに知名度が低く、高校生や大学生はこういった仕事があることを知りません。ときには学校の進路指導の先生が知らない、といったこともままあります。近年、NHK「はつ恋」(2012)、フジテレビ「ラブソング」(2016)、といった言語聴覚士の登場するテレビドラマも放映されていますが、言語聴覚士の知名度の向上は課題であるといえそうです。

トラックバック