HDS-Rとは?

 HDS-R、改訂 長谷川式簡易知能評価スケールは、ベッドサイドや訪問先、初診の際などに簡便に対象の方の認知機能を評価するのに非常に優れた検査として知られています。

長谷川和夫先生の検査実施・解説動画がみれます

 検査を開発されたご本人である、聖マリアンナ医科大学名誉教授の長谷川和夫先生が検査を実際に取る貴重な映像を、下記のリンク先で見ることができます。(株式会社エーザイの医療関係者向けウェブページのリンクを貼っています。)
実践!認知症スクリーニング検査(動画) http://www.aricept.jp/alzheimer/diacrisis_movie.html

HDS-Rは難しい?

 HDS-R、通称、長谷川は「簡便なスクリーニング検査」ですが、実はとても難しい検査といわれています。その理由は「検査を受ける人に対する姿勢が問われる」、「高次脳機能や認知機能についての知識に基づいた丁寧な解釈が必要」の2点に由来します。

検査を受ける人に対する、検査者の姿勢が問われる

 この検査は、なにも認知症の人に取るべきと決まっているものではありません。臨床の現場では脳の損傷の可能性がある人やなんらかの支援・サービスを受けたい人全般に広く用いられます。動画中にて長谷川先生もお話されていますが、検査を受ける人にとっては試されているような気分になってしまい良い気持ちではないかもしれません。ときにはプライドを傷付けてしまうことも考えられます。緊張や警戒心を持って挑むこともあるでしょう。検査を取ることによって隠されていた不安が引き出されてしまい、ナーバスになってしまう方もいます。また、「簡便な検査」とはいわれるものの、さまざまな項目で構成されているため意外と負荷量も高いものであります。このように、認知機能の検査は非常にデリケートなものです。
 経験の浅い検査者の場合には適当な話題を交えながらリラックスした状態を引き出したり、検査項目が出来なかった場合の対応などを想定しておくとよいでしょう。リハーサルで誰かしら練習台になってもらうのも良い練習になります。そうした際に、この動画を参考にしてイメージをつかんでみましょう。

高次脳機能についての知識に基づいた、丁寧な解釈が必要

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 HDS-Rはかなりバランス良く必要最小限かつ最大限スクリーニングとして機能するように構成された認知機能検査です。そのため、臨床の現場では広く用いられており、検査をする人も医師、看護師や私たち言語聴覚士などのコメディカル、ケアマネージャー、保健師などさまざまな職種の方が実施しています。
 検査の手順の通りに実施すること自体はそれほど複雑ではありませんが、それぞれの項目の結果を解釈するのは難しいといわれています。高次脳機能についての知識をもった観察の目を通せば、少ない項目を実施するだけで、対象の方からさまざまな情報を引き出すことができます。HDS-Rを実施するのが初めてという方、これまであまり深く考えずに点数だけを見ていたという方は、ひとつひとつの項目が「なにを目的として、なにを見るためにあるのか」を書き出してみるとよいでしょう。さまざまなヒントが隠されているはずです。
 動画においても、検査結果の解釈のポイントが解説されています。ときには言語聴覚士から家族や介護・福祉の専門職の方に向けて患者さんの認知機能の現状について説明を行うこともあるでしょう。その際には、このようなわかりやすい説明を心がけたいものですね。